帰りに道、ピースは化け物の話を思い出しながら歩いていた。
「本当に化物だったのかな〜本当にそうならあそこにはもう行きたくないよ。まさか呪われたり…」
ゾッとしながら家へ走って帰ってた。家の前にいたソラの顔を見てホッとした
「だだいま。」
「お帰り、走ってどうしたんだい?」
「なんでもない、お腹がすいたよ。」
「ああ、夕食にしよう。」
部屋に入り頭の中をよぎる化物を考えないようにしながらつぶやいた。
「忘れるんだ…ホントは化物のなんかいないさ…」
ブツブツ言いながらソラのいるキッチンへ急いで入っていった。
「何か手伝おうか?」。
「大丈夫、もう出来てるよ。」
ピースは椅子に座ると、すぐに料理が運ばれてきた。パンをすぐに手に取り口に入れた。
「そんなに慌てて食べなくてもいいじゃないか。」
笑いながらソラは言った。理由もなく慌てている自分に気づき、ピースも笑った。食事をしているピースに向かって、ソラは話を始めた。 |
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「今朝、話があると言っただろ、覚えてるかい?」
「あっ、覚えているよ。」
本当は化物の事で頭がいっぱいになって忘れていたのだ。
「ビーンズ王国のことだが…」
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ピースの思った通りだった。小さい時から話を聞かされてきた。大きくなったらピョン王に支配されたビーンズ王国を、母のいる国を助けに行かなくてはいけないことを。母には会いたいが、助けなくてはいけないのもわかっているのだが、ピースにはそんな勇気がないのだ。
「大きくなったあなたは、ビーンズ王国を助ける時がきたようだ。」 |
不安そうにソラを見た。
「お母さんに会いたいよ、でも僕に出来るのかな?不安だよ。」
ソラは優しく微笑んでピースの手を握った。
「大丈夫、ピース一人ではない。私もついているし、新しい戦士もいるのだから。タタミ王国の戦士と一緒にビーンズ王国を助けるんだ。」
「タタミ王国の戦士とは誰なの?」
「この王国のターミーと先日会ってきた。ターミーが勇敢な戦士を選んでくれる。苦手な剣の練習も、もっとしなくてはいけないよ。」
「いつなの、ビーンズ王国へ行くのはいつ?」
「もうすぐ、かな…」
ソラは遠くを見つめて言った。
「これから急いで準備をしなくてはね。あなたのお母様やタタミ王国のラッシュ王とフラグランス妃を、ビーンズ王国の皆が待っているんだ。そしていつまでも平和で楽しい王国にするんだよ。なぁに、心配はいらない。みんながついているからね。」
ピースは思った。とても不安だが、母と暮らせること、仲良くなった仲間たちといつまでも一緒に楽しめる暮らしを手に入れることが出来るならやってみようかと思うのだった。
「僕もソラのように強くれるかな?」
「そうだな〜?強くなることはできるよ。でも、ピースの今の優しい心は絶対に忘れてはいけないよ。」
ピースは不安な中、もしかすると自分に出来るかもしれないという気持ちが湧いてきた。
「僕がやらなくては…」
その頃…ターミーは考えていた。
「タタミ王国の戦士とは、やはりビーンズの王子と同年代の子か…」
暖かいハーブティーを口にしながらつぶやいた。
「王子と仲の良いタタミやウランはどうだろ…力になってくれるのではないか。」
ターミーはカオリを部屋へ呼んだ。ちゃんと話をするために。
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